日本財団 図書館


 

をFig.2にブロック図として示す。自動設置システムは以下の5つの機能から構成される。
(a)計測による情報検出部
波高、ケーソンの位置および動揺量、ワイヤの張力および巻取り量等を計測する。
(b)信号入出力プロセス部
計測データおよびEWSからのウインチの制御信号(ワイヤの巻取り・繰出しの操作命令)をA/D・D/A変換装置でデジタル信号またはアナログ信号に変換する。
(C)制御システム部
計測データを基にケーソンの位置および動揺を予測する。予測においては6元2階微分運動方程式を時間領域で計算する。そして、ケーソンの位置および動揺の予測値に基づきウインチの制御信号を出力し、ケーソンのスウェイ方向およびヨウ方向の位置制御を行う。
(d)画面表示部
ケーソンの位置および動揺をEWSのディスプレイ上にリアルタイムに表示する。
(e)処理指示部
オペレーターの指示をキーボードから入力する。本自動設置システムは、コンピュータを用いてウインチ操作を行うことによりケーソン据付作業を自動化するものである。なお、ケーソン上の作業の無人化を達成するためには、ワイヤの取付および配置を自動的に行う自動ワイヤリング装置、ケーソンヘの注排水を無人にて自動で行う自動注排水装置を自動設置システムと連動させて使用する必要があるが、本研究では自動設置システムについてのみ実験的な検証を行った。
Fig.3およびFig.4は、それぞれ引船方式およびアンカーワイヤ方式による自動設置システムのワイヤの配置状態を示す。自動設置システムではEWSに搭載されたプログラムにより、引船方式、アンカーワイヤ方式のどちらの方式でもケーソンの据付作業を行うことが可能である。

121-1.gif

Fig.3 Tugboat support type automatic installation system

4.ケーソン自動設置システムの水理模型実験
4−1.自動設置システム模型
水理模型実験で採用した据付ケーソン模型は7,500tfの実機ケーソンの1/40の大きさである。Table1にそのケーソンの諸元を示す。また、模型実験は不規則波中で実施しており、Table2に実験波浪条件を示す。
Photo3は模型実験におけるアンカーワイヤ方式の自動設置システムを示す。これは据付作業中の写真であり、アクリル製の据付ケーソンが既設ケーソン横に設置され

Table 1 Dimensions of caisson

121-2.gif

121-3.gif

Fig.4 Anchor wire type automatic installation system

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION